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| Vol. 174 ハンガリーからのメッセージ |
| 「改革アロガンス」の敗北−国民投票結果が意味するもの |
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V. 複数保険制度イデオロギー |
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この傲慢に最後の一滴を加えたのが、医療保険制度に民間保険会社を入れるSZDSZの複数保険制度の強引な導入だった。ハンガリーにこの制度を受け容れる条件はない。にもかかわらず、SZDSZはこれを金科玉条のごとくに唱え、これなしでは医療改革はないと猛烈なキャンペーンを張った。まさに、複数保険制度はSZDSZの新自由主義イデオロギーになってしまった。この新自由主義はアメリカのネオコン(新保守主義)と同じものだ。
彼らに共通しているのは、「賢人による支配」である。絶対啓蒙主義を受け継ぐアロガンスである。ネオコンが軍事力と市場に絶対的な信頼を置くが、それが世界に大きな被害をもたらしたことは明白である。ハンガリーでも、「複数保険制度を認めない者は馬鹿だ」とばかりに、これ以外に改革の道はないと社会党を押し切ったのだ。これがアロガンスでなくて何だろう。
さらにもう一つ共通しているのは、歴史認識や社会的条件無視の持論の普遍化である。イラク戦争を始めた時に、アメリカのネオコンが日本の戦時占領経験を活かすことができると真剣に考えていたように、歴史や社会的条件の差異に無関心なのだ。歴史的音痴だとも言える。それはヴェトナム戦争の時も同じだった。
まさに、ネオコン=新自由主義に共通するのは、傲慢そのものなのだ。国民はジュルチャーニとSZDSZの傲慢さに痺れを切らしたのだ。今時の国民投票の結果を、オルバンは「ハンガリーの勝利」と讃え、これにたいしてバウエル・タマーシュはまたまた大仰にも「ハンガリーの敗北」と切り返したが、そのような大層なものではなく、敗北したのは「改革アロガンス」なのだ。 |
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「エリザベート橋と王宮」 |
W. 改革の罠 |
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社会党党首ジュルチャーニとSZDSZ党首コーカはともにビジネスの経験をバックに、予算機関の抜本的改革推進の先頭に立った。それは高く評価して良い。彼らの行動力や判断力がなければ、ハンガリーのぬるま湯的な体質は永遠に続くだろう。他方、彼らの改革が社会保険制度に向かった時に、大きな落とし穴があった。国営企業の民営化と同じような感覚で事を進めようとした。医療保険制度を民営化すれば解決すると考えるのは、きわめて単細胞的思考だ。世界は今、社会保険制度に改革に悩んでいる。しかし、それに絶対的な処方箋はない。ほとんど国は社会保険制度の枠組みを維持しながら、改革を行っている。資本を入れれば解決するというのは、ネオリベのイデオロギー。社会を支える根幹に関わる制度の改革には、幅広いコンセンサスと支持が必要だ。ところが、ジュルチャーニ=コーカのペアはその忍耐力を持たなかった。ビジネス経験が裏目に出た。政治的な失敗である。
もう一つの落とし穴は、ハンガリーの改革能力である。政府のどの改革も十分な準備なしで、見切り発車された。ハンガリーの行政機関の組織力や効率が低いことは周知の事実。ハンガリーの行政改革では、末端の改革まで細部にわたって実現の状況を把握し、適時的に対策を講じるチームや責任者など存在しない。だから、いつも政府の政策決定とその実行には、天と地ほどの乖離が生まれる。まして、複雑な改革を準備なしで行えば、末端の現場でカオスが起きるのは当然のことだ。
300Ftの診療費や1000Ftの病院診療費を導入した時に、どこでも大混乱が起きた。今でも病院の診療を受けようと思ったら、まず診療費を支払う窓口に行列することから始めなければならない。それが終わったら、各診療科のドアの前で再び行列が待っている。何のことはない、行列する手間が増えただけなのだ。300Ftの支払いの有無やその合理性の問題ではなく、国民には無駄な負担を強いたという感覚しか残らないのだ。
ハンガリーで複雑な制度を構築しても機能しないことは明白。制度構築の社会的条件もないものを導入しようとすれば、ただ混乱が広がるだけだ。そういう問題を無視して、自らのイデオロギーを押しつけようとしたSZDSZが、国会議席消滅の危機を迎えているのは当然のことかもしれない。ハンガリーに必要とされているのは、アメリカ型の民間医療保険制度ではなく、分権化された単純で統一的で、透明かつ公正な社会医療保険制度への改革なのだ。 |
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バルトーク国際ピアノコンクール優勝金子三勇士君 |
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盛田氏の家に突然居座って
しまったネコの花ちゃん。
夜はガレージに
入れてあげるそうです。
(*画像クリックで拡大写真)
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盛田氏はブダペストに
お住まいですが、
ブダペスト丘陵に連なる
小高いところでは、氷点下5度以下
になると、このような樹氷の
光景が見られるそうです。
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ハンガリー在住日本人会会報 「ドナウ通信2008年春季号」 |
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※盛田常夫氏は、昔からテニス、スキー等、スポーツ万能で、最近では毎年様々なマラソンに出場しています。
(画像クリックすると拡大します) |
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