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| Vol. 168 ハンガリーからのメッセージ |
| 映画時評「牡牛座−レーニンの肖像」 |
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V. 人としての限界−「レーニン信仰」の破壊 |
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この映画を通して、ソクーロフは何を語りたかったのだろうか。いかなる偉大な個人であれ権力者であれ、究極のところ、他の凡庸な人々と同様に、1人の人間に過ぎないということか。人が神でありえない以上、偉人も凡人も、美人も不美人も、同じように病に倒れ、苦しみ、悩み、老い、やがて死を迎える。人である限り、このプロセスに例外はない。もし違いがあるとすれば、緩やかに静かに老いていくことができるか、それとも突然の病や事故に遭い急死するか、それとも後遺症に悩み人生を苦しみながら終えていくかだけだろう。
華々しい活躍を遂げた人々にとって、突発的な事故や病気の急変は、想像しがたい苦痛を与える。絶世の美貌が失われていく女優の苦悩も同じだろう。ノイマンが癌に冒され、脳に転移したことを知った時の悲しみと苦しみは、凡庸な我々には想像もつかない。第一線の研究からは一歩退いたとはいえ、神のものとも驚嘆されるノイマンの博覧強記は、社会の種々の分野でもう一度開花する力をもっていた。しかし、それが適わぬことを知ったノイマンは、叫び苦しんだ。「往生際が悪い」と批判した者もいたが、人生半ばで終えざるを得ない無念は想像を絶する。
ロシア革命は実現したが、実際の社会建設は始まったばかりだった。レーニンの本当の仕事はこれからだった。しかし、そこに凶弾が打ち込まれ、それが原因で脳梗塞を患い、やがて発狂する悲劇となった。現実の困難を乗りきるために、新生ロシアは軍事的な社会主義へと突進したが、「もしレーニンが健在で、粗野なスターリンの台頭を抑えることができていれば」と考えた人は多い。「もう少しは増しな社会主義ができていたのではないか」、と。しかし、1人の人間ができることは限られている。どんなに優れた人物でも、20世紀という時代制約や、ロシア社会の限界を超えて、社会主義やロシアを飛躍させることなどできるはずがない。ロシアに根強いレーニン信仰を破ることが、ソクーロフの仕事だったのだろうか。カンヌ映画祭でソクーロフは、「レーニンの生を描きたかった」と語った。生身の人間レーニンを描くことで、「レーニン信仰」に終止符を打ったということか。 |
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「セーチェーニィ温泉」 |
W. 権力者シリーズ |
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権力者シリーズで扱われている3名(ヒトラー、昭和天皇、レーニン)は、明らかに異質な組み合わせだ。確かにヒトラーは個人としての権力者であるが、レーニンはロシア革命を達成した段階で倒れてしまった人物だし、昭和天皇は結局のところ軍部に操られた人形でしかなかった。だから、レーニンや昭和天皇を強権主義的な個人としての権力者と規定するのは無理がある。
他方、昭和天皇の場合、侵略戦争遂行の法的な最高責任者であったことは逃れようのない事実であり、その責任の重大性と天皇個人としての弱さや孤独との非対称性が際立っている。その特異性が一つのテーマになる。ソクーロフの狙いもそこにあるだろう。ただ、作品「太陽」がそれに成功しているとは思われない。天皇個人に焦点を当てているために、背景にある権力構造が見えず、天皇の役割の「非対称性」が描き尽くされていない。「何か違うな」という違和感があり、映画として成功しているとは思われない。戦前の国家体制の研究が不足している。
20世紀ロシアの最大の権力者は、まさにレーニンに代わってロシア社会主義を統治したスターリンだろう。まさに西のヒットラーと比較対照さるべきは、東のレーニンではなく、スターリンであるはずだ。だが、ソクーロフはスターリンを選ばずに、レーニンを対象にした。ソクーロフが映画対象にしたレーニンの療養期間は数年に過ぎないが、スターリンのロシア統治は30年以上にわたっている。確かに悲劇性という意味では、レーニンの生が際立っているが、20世紀最大の権力者とも言えるスターリンの生を描いてもらいたかった。スターリンの人としての特異性はロシアの特異性でもあり、現代のロシアに通じるものがはるはずだからである。国家主義が台頭している現在のロシアでは難しいのだろうか。
ソクーロフの映画に出てくる俳優は皆ロシア人であるが、レーニン役のレオニード・モズゴヴォイが、ヒトラー役を演じていた訳者だとは気づかなかった。
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バルトーク国際ピアノコンクール優勝金子三勇士君 |
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盛田氏の家に突然居座って
しまったネコの花ちゃん。
夜はガレージに
入れてあげるそうです。
(*画像クリックで拡大写真)
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盛田氏はブダペストに
お住まいですが、
ブダペスト丘陵に連なる
小高いところでは、氷点下5度以下
になると、このような樹氷の
光景が見られるそうです。
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ハンガリー在住日本人会会報 「ドナウ通信2008年春季号」 |
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※盛田常夫氏は、昔からテニス、スキー等、スポーツ万能で、最近では毎年様々なマラソンに出場しています。
(画像クリックすると拡大します) |
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