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Vol. 159  ハンガリーからのメッセージ
ハンガリー動乱50年:動乱を招いた暗黒時代(その2)
 
 

X.ノエル・H・フィールド拉致事件

 

   ラーコシはスーニィ摘発と同時に、これらスイス亡命共産主義者に手を貸していたフィールドに関心をもった。フィールドの人脈からさらに多くの亡命共産主義者の氏名が出るだろうからである。

   ロンドンに生まれ、スイスで育ったフィールドは、生物学者の父の死後、アメリカに渡り、ハーヴァード大学を卒業して、外交官になった。その時に、亡命ドイツ人を介して、ソ連共産党員になり、共産主義となってヨーロッパに渡った。フィールドは中欧で亡命共産主義者の支援活動を行っていたが、戦後、アメリカで彼に対する訴追が準備されそうになり、新たな定住地を求めて、チェコスロバキアや東ドイツの諜報部と関係を保っていた。1948年当時、東ドイツに移住すべく、定住申請への回答を待つ状態にあった。

   フェレンツ・エドモンドの通報によって、ハンガリーのAVHはフィールドがチェコスロバキア諜報部と関係が深いことを知り、フィールドをハンガリーに拉致する計画が立案された。  こうして、1948年から1949年にかけて、大がかりな国際的な奸計が仕組まれた。チェコスロバキア諜報部はフィールドの拉致・引き渡しをすぐには受諾しなかった。ソ連の許可がなければ承諾できないという態度をとった。ラーコシとピーテル・ガーボルはソ連内務省の中・東欧責任者ベルキンの了解をとり、チェコスロバキア諜報部に、フィールドをプラハに招聘するように依頼した。

「オペラハウス」

「オペラハウス」

    ドイツの移住許可を待つフィールドは、チェコスロバキア諜報部の招聘に応じて、5月初めプラハに向かった。5月11日午後3時半、パレス・ホテルにチェコスロバキア諜報部員が出向き、彼を車で郊外に連れ出した。そして、そこに待ち受けていたスーチ率いるハンガリーの拉致実行部隊に引き渡したのである。スーチはクロロホルムをかがせ、その日のうちにフィールドをハンガリーに連行した。

    フィールドはアンドラーシ通り60番地に拘置されたが、すぐにノルマファ近くのエトヴォシュ通りにあるAVHの秘密の館に移送された。フィールド拉致は最重要機密であり、一部の幹部のみが関知した事柄だった。この館で始まった尋問には、ファルカシュ・ミハーイ、カーダール・ヤーノシュが直に関わり、スーチ配下のバウエル・ミクローシュとセンディ・ジョルジュが取り調べおよび独語通訳を担当した

    この時、ファルカシュ・ヴラジミールは隣室で尋問の録音を担当しており、「スパイ容疑」を否定するフィールドに激しい拷問が加えられたことを告白している。拷問によって強制された告白は二転三転するが、フィールドは自らの筆で、中欧における共産主義者の知人名を記した。そして、スイスにおいて亡命ハンガリー共産主義者とコンタクトがあったこと、スーニィと顔見知りであったことを認めた。

    ラーコシにはこれで証拠十分だった。フィールドの記した氏名リストは即座にラーコシに届けられ、ラーコシはこれをチェコスロバキア、ポーランド他の近隣国の共産党幹部に送った。このリストはそれぞれの国で、その後の「アメリカの敵」摘発に利用された。


盛田常夫 盛田 常夫

1947年
富山県高岡市出身
法政大学社会学部教授、野村総合研究所研究顧問を経て、ハンガリー立山研究所取締役社長

ブダペスト在住

盛田常夫のホームページ:
ハンガリーからのメッセージ
盛田常夫訳「コルナイ自伝」の国際サイト:
Korunai Yanoshu:MEMORIES
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バルトーク国際ピアノコンクール優勝金子三勇士君

猫 猫 猫


盛田氏の家に突然居座って
しまったネコの花ちゃん。
夜はガレージに
入れてあげるそうです。
(*画像クリックで拡大写真)

樹氷 樹氷 樹氷 樹氷


盛田氏はブダペストに
お住まいですが、
ブダペスト丘陵に連なる
小高いところでは、氷点下5度以下
になると、このような樹氷の
光景が見られるそうです。

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ハンガリー在住日本人会会報
「ドナウ通信2008年春季号」

盛田常夫マラソン 

※盛田常夫氏は、昔からテニス、スキー等、スポーツ万能で、最近では毎年様々なマラソンに出場しています。
(画像クリックすると拡大します)

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