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ショーヨム大統領は健康保険の部分的民営化法案を議会に差し戻した。社会的コンセンサスに欠けるというのが本音だが、憲法裁判所の判断を仰ぐことなく、国会への再審議に委ねた。憲法判断になるかもしれないという政府与党の危惧は回避されたが、健保民営化は国民投票に値する問題だという意見は野党や知識人の間に根強い。授業料や診察料など比べてはるかに重要なテーマだ。
健保民営化はSZDSZが強引に推し進めたものだが、とくにSZDSZ系の経済学者が精力的に動いた。元大蔵大臣のボクロシュ・ラヨシュ(現、中欧大学学長)は理論的なキャンペーンを張り、バウエル・タマーシュがイデオロギー的な先導(扇動)役を担い、ミハーイ・ピーテルは法案作成のコンサルティング業務を担当した。
この3名の中で、バウエルのメディアへの露出が際立っていた。12月初めに法案に反対する知識人が反対声明を出したのにたいして、バウエルは「健康保険改革法案へ反対する人々へ」と題する批判声明の署名で対抗し、12月14日発行の Elet es Irodalom 誌にストを組織しているガシュコー・イシュトヴァーンを弾劾する長文の批判文(全面2頁)を出して、スト参加者を牽制した。バウエルは「法案反対者の行動は社会の進歩に反するもの」と大仰な批判を展開したが、安易な民営化を批判するのは知識人の当然の行為だ。
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「ヴァーロシュリゲット公園」 |
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U. 腰が引ける知識人 |
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何人かの友人たちに、署名要請メイルの諾否について尋ねた。多くは双方(法案反対者と法案賛成者)からメイルを受けたが、どちらにも署名しなかったと答えた。政治にかかわりたくないからだという。国会に任せれば良いと答えた者もいる。法案を判断する指針がないからかもしれないが、その腰が引けた態度にハンガリー人特有のアパスィーを感じた。
法案批判陣営のフェルゲ・ジュジャから声明文を送ってもらった。彼女たちはボクロシュやバウエルを「ネオリベ(ネオリベラル)の坊や」と呼んで蔑視している。他方、社交性のない彼のバウエルがどうしてこれほど意気込んでいるのか、バウエルの誤った議論が他の経済学者から批判されることなくどうして放置されているのだろうか。友人の経済学者は、「確かに問題はあるが、政治家になった経済学者と議論しても意味がない」という。
それにしても、バウエルの行動や論理を誰も批判しないのは不思議だ。バウエルの背後に何か存在するのだろうか。昨年8月にはホルン首相への叙勲を大統領が拒否した問題について、バウエルは例のごとく長文の文章を発表して、ホルンの功績を讃えて、大統領批判を行った。何故バウエルがホルン叙勲を擁護しなければならないのか。このことも気になっていた。
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