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Vol. 133  17日間あめりか漂流記
〜アメリカ視察セミナー 「チェーンストアの本質」〜
 

小売流通業、ホスピタリティビジネスの専門家、結城義晴が
探るアメリカ、チェーンストアのレポート

17日間あめりか漂流記 結城 義晴
 

]. 17日間あめりか漂流記I テスコ"fresh&easy"U 開発の推理

今日は、移動日。
アリゾナ州フェニックスから、テキサス州オースティンへ。
ミスター・ミゾグチと別れて、一人旅。

私、この一人も大好き。
1992年の秋に、シアルドールに審査委員になって、パリ・ロンドンを訪れたときから、一人で動くことの快感にはまった。

ホテルと航空便さえ決まっていれば、どこへでも行く。
とはいっても今回は、移動するだけ。

砂漠とサボテンと岩山のアリゾナから、穀倉地帯のテキサスへ。 緑が多くなる。

移動しながらの考察。

テスコの“fresh&easy”のこと。

17日間あめりか漂流記H

テスコは現在、イギリス国内で主に、4つの店舗フォーマットを展開している。
@テスコ・エクストラ ⇒欧州型ハイパーマーケット、4600〜9200u
Aテスコ・スーパーストア ⇒これが中心となるフォーマット、2800u
Bメトロ⇒都心型の小型スーパーマーケット、1000u
Cテスコ・エクスプレス ⇒コンビニタイプ、200u、日本で実験したフォーマット

“fresh&easy”は、この4フォーマットのうちの、メトロとエクスプレスの中間型である。

テスコはアメリカで、新フォーマット開発を試みたと考えるのがよい。“fresh&easy”は1万平方フィート、約900uで、しかもリミテッド・アソートメント(限定品揃え)だからである。

@のエクストラでアメリカに進出しようとすると、当然ながら、ウォルマートスーパーセンターと真っ向対決となる。韓国では、このパターンで展開。「ホームプラス」と名づけて、大成功。しかし、アメリカでは、避けたい。

Aのスーパーストアでは、クローガー、セーフウェイはじめ、各地のローカルチェーンの主力タイプや、ウォルマートのネイバーフッドマーケットとも競合する。しかもこのスーパーストアの競争が最も激しい。
そしてこれら「メインストリーム」(主流型)は、いまや、コンベンショナル型(平凡な従来型)となりつつある。

Bのメトロタイプは、ロンドンなど大都市型である。私は、スーパーストアの特殊な小型版としか見ていない。

Cは、これも大都会のコンビニ型ミニスーパーである。コンビにではなく、グロサリーストア。アメリカ、特にカリフォルニアやアリゾナなど米国西側では、200uの店舗自体、力を持たない。

何より、テスコはスーパーマーケット企業である。
イギリスでは、このスーパーマーケット企業が最大小売業なのである。

だからテスコは、ここから逸脱することは絶対にない。

そこで考えたのだろうと思う。
相当に時間もかけて、プライベートブランド開発も行った。

結論が、この店“fresh&easy”である。

ロサンゼルスタイムスは、「トレーダー・ジョーとラルフのブレンド」と表現した。

しかし、テスコ側から見ると、
「メトロとエクスプレスのブレンド」である。

そして、もう一つ、重要な点。
食品屋のテスコは、ウォルマートを除けば、アメリカでどこが強いと見ているか、という観点である。

答えは「トレーダー・ジョー」。

17日間あめりか漂流記H

私も同感である。
私は、コストコとトレーダー・ジョーが、「品揃えを絞り込み、客層を広げる」という、シンプルで最強の考え方を貫徹しつつ、仕事をしていると思う。
今回の17日間の折り返し点でも、その認識は、強まるばかりだ。

ただし、トレーダー・ジョーは、マーケティングの対象としてならば、興味あるところだが、このビジネスモデルは、再現できない。
投資回収にも時間がかかる。急成長は望めない。
そこで、トレーダー・ジョーと同じグループのアルディに目をつける。

ドイツから進出したアルディは現在、850店で47億5000万ドル。
この、ノンフリルのグロサリー・ディスカウンターが、もう一つのモデルとなった。

つまり「トレーダー・ジョーとアルディのブレンド」である。
それが図らずも、イギリス国内の、「メトロとエクスプレスのブレンド」の延長上にぴたりはまるものとして、プランの中で浮上してきた。

すなわち、
@小型
A低価格
B限定品揃え
Cプライベートブランド中心
D低投資
E多店化
Fドミナントエリア主義
この七原則に、「現代化」されたコンセプトの網を大きくかぶせた。
G健康・環境対応

トレーダー・ジョーの255店50億ドル。
アルディの850店47億5000万ドル。

まずはその中間あたりに照準を定めて、“fresh&easy”はスタートしたのではないか。

すなわち500店で50億ドル。分かりやす過ぎるだろうか。
もちろん1000店100億ドルは構想しているに違いない。

いかがだろう。
私の2007年11月13日時点の推理。

<つづく、結城義晴>

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17日間あめりか漂流記H

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結城 義晴プロフィール 著者:結城 義晴

早稲田大学商学部卒業
ジャーナリスト
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科兼任講師。
PCSA有識者懇談会委員。
産業社会学・壽里茂ゼミ稲門会代表幹事。
横浜市立白幡小学校施設開放委員会会長
少年ソフトボールチーム「竹の子」代表。
Blog: 結城義晴のBlog 「毎日更新宣言」

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