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| Vol. 120 ハンガリーからのメッセージ |
| 〜盛田常夫のハンガリー・政治経済コラム〜 国会を通過した健保民営化案 |
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V. 奇妙な妥協案 |
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ジュルチャーニとコーカは連立政権維持のために、両党の主張を接近させる妥協案の作成に腐心した。健保基金を全国22の基金に分割し、かつそれぞれの基金を株式会社形態にし、そこに民間資本を49%まで入れるというのが、政府案である。
この妥協案にはいくつかの意味が込められている。一つは、基金の分権化である。地域をベースとする基金の分割は効率性と透明性という観点から意味がある。これは両党とも納得できる策である。二つは、民間資本を入れて、基金相互が競争することで、運営の効率性が高まるという期待である。これはSZDSZの主張を考慮したものだ。三つは、民間資本の参入を最大49%に押さえることで、完全民営化を阻止して、
社会保険の枠組みを維持するという社会党の主張に考慮した妥協だ。
この妥協案にたいして、とくに社会党内部から反対意見が相次いだ。部分的にせよ、健康保険の民営化を認めることは、社会保険の連帯原理を崩すものという立場から、左派グループが反対の立場を表明した。総選挙の得票率が5%程度のSZDSZが社会保険の民営化を推進するのは理屈に合わないという感情も強い。
他方、SZDSZは完全民営化にはほど遠いが、とりあえず民営化へ一歩踏み出すことを評価して、この法案を実現させることで一致し、妥協案に反対の社会党議員を批判することに戦術を一本化した。
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「自由橋」 |
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W. 健康保険民営化の意味 |
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SZDSZの主張はアメリカの健康保険制度を前提にしている。健康保険をすべて民間の任意保険にし、個人が自らの所得と責任において、保険商品を購入する。保険会社は多数の顧客をバックにして、保険会社指定病院を決定し、被保険者が治療を受けられる病院を決める。他方、病院側は唯一の収入源である保険会社からの医療費支払いに依存するから、より高度で効率の良い医療サービスの提供のために競争する。
こうして、民間保険会社が被保険者と病院との間に入り制度の軸となって、病院と患者の生殺与奪件を握るというのが、アメリカのシステムだ。
民間保険制度の導入を先導しているハンガリーの経済学者は、このような民間保険会社の存在が、医療制度の根本的解決の鍵になると主張している。しかし、この主張は社会保険の存在条件を無視した議論だ。
そもそも、アメリカで任意保険制度が機能しているのには、それなりの理由と条件がある。多数の民間病院の存在、多数の民間保険会社の存在、それから高額の保険を支払える社会層の存在である。これらの条件の一つでも欠ければ、経済学者が想定する、民間保険会社が主導するようなアメリカ型医療制度は機能しない。
ハンガリーにその条件は存在するかだろうか。アメリカの制度を支えている条件は何一つ存在しない。明白に「ノー」である。社会的条件が存在しないのに、形だけ真似てどうなるのだろうか。予想されるのは、大きな混乱と膨大な人的資源・時間の無駄が生じるだけである。
ハンガリーはアメリカではない。ヨーロッパの、それもこれからまだ市場経済化への道程が長い、中程度の経済発展国である。さらに旧社会主義時代から受け継いだ負の遺産から出発しなければならないという特殊条件をもっている。これらを一挙に解決するのが、民営化だろうか。
事はそれほど単純ではない。このような民営化至上主義は体制転換初期にあったクーポン民営化による急進民営化イデオロギーと同じものである。IMFやそのアドヴァイザーたちがこぞってチェコのクーポン民営化を賞賛し、「奇跡」と持ち上げたことは記憶に新しい。今、彼らは同じ過ちを犯している。
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盛田氏の家に突然居座って
しまったネコの花ちゃん。
夜はガレージに
入れてあげるそうです。
(*画像クリックで拡大写真)
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盛田氏はブダペストに
お住まいですが、
ブダペスト丘陵に連なる
小高いところでは、氷点下5度以下
になると、このような樹氷の
光景が見られるそうです。
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※盛田常夫氏は、昔からテニス、スキー等、スポーツ万能で、最近では毎年様々なマラソンに出場しています。
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