|
 |
|
| Vol. 117 ハンガリーからのメッセージ |
| 〜盛田常夫のハンガリー・政治経済コラム〜 国会を通過した健保民営化案 |
| |
| |
|
T. プロローグ |
 |
| |
|
12月17日、全国ストライキの中、ハンガリー国会は、連立政府提案の健康保険の部分的民営化法案を可決した。部分的とはいえ、健康保険の民営化は、国営企業の民営化とは違い、広範な社会的コンセンサスが必要な事柄だ。ジュルチャーニ首相−コーカ経済大臣(SZDSZ党首)は、あたかも企業を民営化する感覚で、社会の存続にかかわる重要な制度の変更を実行した。経済政策の実行には企業家感覚はプラスに働いたが、同じ感覚で社会政策を展開すれば、墓穴を掘ることになりかねない。
社会党内の議員団に多くの異論が存在したことはもちろん、左派の知識人からも厳しい批判が向けられたにもかかわらず、ジュルチャーニはSZDSZとの連立維持を最優先して、何とも奇妙な健康保険制度の変更案をゴリ押ししてしまった。当面、連立崩壊の危機は逃れたが、党是を無視した政策決議の強行は、果たして社会党の将来にとって吉とでるか、凶とでるか。新制度が多くの問題を含むこともちろん、実際の施行にあたって、大きな混乱が続くと予想される。それが政権の命取りになる可能性は大きい。
法案可決でとりあえず、連立政権が維持されたが、時限爆弾を抱えた健保民営化は前途多難である。百本以上の法令の施行を必要とする新制度の出発は容易でない。もしかしたら、この法案採決による連立政権維持の選択が、ジュルチャーニ政権の終わりの始まりになるかもしれない。そうなれば、SZDSZが国会から消滅する危機を迎える。これからハンガリーの政治は大きな変動期を迎えることになろう。
|
「ゲレルトの丘から市内を一望」 |
|
U. 妥協しようのない対立軸 |
 |
| |
|
SZDSZの本来の主張は、健康保険の完全民営化だ。要するに、アメリカと同じように、健康保険をすべて民間に任せるというのが、SZDSZの主張。その主張を理論的に喧伝しているのが、ボクロシュ・ラヨシュ、バウエル・タマーシュで、政策立案を行っているのがミハーイ・ピーテルの経済学者たちだ。経済的合理性だけを最優先すれば、市場原理主義になる。健康保険制度への市場原理の導入には細心の注意と配慮が必要なのだ。
他方、社会党には健康保険の民営化の主張は存在しない。あくまで社会保険の枠組みを維持した上で、医療改革を行うというのが社会党の方針だ。
ところが、連立政権合意でSZDSZが厚生大臣ポストを掌握した時に、社会保険の事実上の民営化である健康保険の複線化路線を連立維持の条件とした。当初から、社会党とSZDSZとの間で、医療改革分野の保険制度改革で、根本的な対立が存在していた。専門病院、総合病院の再編成までは両党とも大きな意見の差異なく、実現にこぎ着けた。しかし、最後の健康保険の改革に至って、当初の対立が表面化した。社会的連帯にもとづく社会保険制度を維持するか、それともその原則を部分的にも崩して民営化の方向へ舵取りするか。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
盛田氏の家に突然居座って
しまったネコの花ちゃん。
夜はガレージに
入れてあげるそうです。
(*画像クリックで拡大写真)
|
|
|
|
|
盛田氏はブダペストに
お住まいですが、
ブダペスト丘陵に連なる
小高いところでは、氷点下5度以下
になると、このような樹氷の
光景が見られるそうです。
|
|
|
|
※盛田常夫氏は、昔からテニス、スキー等、スポーツ万能で、最近では毎年様々なマラソンに出場しています。
(画像クリックすると拡大します) |
|