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〔第5回〕
映像会 中村正英さん
映像会 中村正英さん
 

今回は、「映像会」のリーダーでいらっしゃる中村正英さんをご紹介致します。
「映像会」は、昭和17年に創立された映画好きが集まった個人的な趣味のサークルですが、途中、戦争などによる休会期間があったものの、スタート以来、今年で、なんと66年という長い歴史のあるサークルです。趣味とは言え、このように長く続いている理由には、メンバーの方々の映画に対する造詣の深さだけでなく、リーダーの一人である中村さんのお元気なお人柄ということも言えるかもしれません。85歳中村さんは、今でも大変お元気で、そのお歳を全く感じませんでした。

 

映像会は、毎月作品を1本選び、メンバーが各自その映画を鑑賞したあと、合評会を開き、書き綴った評論を、「映像」というし冊子(途中から印刷形式の「映像通信」)にまとめるという作業を、1920年から行なってきました。メンバーは、最初2人で始め、最盛期には40名以上の会員がいたそうですが、現在は皆さんご高齢ということで、合評会は中止されたものの、「映像通信」は毎月刊行され、170号になりました。

 

過去の小冊子「映像」


ご自身で映画について執筆もなさり、すべて手書きで書いたものを、「日本映画芸術発達史」という上・下巻820頁(B5版)にまとめあげられました。また、同人仲間の高松正雄さんは、映画好きが高じ、ご自分たちで8mmカメラを使い、映画を製作してしまうということもありました。今でもその映像は残っているそうです。

中村さんのお宅の本棚には、映画に関する本がずらりと並べられており、ビデオも古いものから新しいものまで、収集されていらっしゃいます。しかし、やはり、映画館で観るのが一番という中村さん。暗い中、大画面で見る映画の醍醐味、映画館の雰囲気・匂いが、たまらなく好きで、85歳になられた今でも、月に何度か足を運ぶそうです。

 

自作映画のパンフレット


また、中村さんは、映画の他に、いろいろな物を収集するのがお好きとのことで、たとえば、映画のチケットやパンフレットだけでなく、電車やバスの切符や、切手、煙草パッケージ、こけし等々、それぞれをきちんと整理し、まとめていらっしゃるところが、几帳面な面を垣間見せ、素晴らしいと思いました。

 

 

〔中村さんへのインタビュー〕

中村さんの映画とのかかわりは、どのようなことがきっかけだったのでしょうか?

学生時代より、映画を観るのが好きでしたが、日本映画の歴史に興味を持ち、古本屋を歩き廻り、古い資料を集めたりしているうちに、仲間ができて映像会をつくり、合評、会誌発行、論評会、無声映像鑑賞会、撮影所見学や、毎月の例会など活動しました。

中村さんにとって、映画の魅力は何でしょう?

映画は最も優れた総合芸術です。そして、最も近代的・大衆的芸術である事が魅力です。知らなかった世界が見えてくることも魅力の一つですね。



思い出に残る映画、印象に残る映画についてお聞かせください。

やはり青春時代の思い出深い映画、特にフランス映画が最も印象的で、例えば「舞踏会の手帖」、「望郷」、「ミモザ館」、「女だけの館」、「地の果てをゆく」などでしょうか。

好きな女優、男優はどなたでしょう?

女優なら、イングリッド・バーグマン、男優ならジャン・ギャパン。

好きな監督は?

日本映画なら、小津安二郎、今井正、山本薩夫、成瀬巳喜男、外国なら、ジュリアン・ディヴィヴィエ、ジャック・フェデー、マルセル・カルネ。



映画のほかに、いろいろコレクションすることがお好きなようですが、今はまっているものは何ですか?

“昭和・大正の記録”・・・ついこの間まで身近にあった昭和の思い出、記録、写真等、後世に残しておきたいものです。

これからはどのような映画、または、監督を期待しますか?

CGを始めとする映像技術を駆使した映画は、見世物的活動写真としか私には映りません。特に、アメリカ映画のドンパチ物や、化物・宇宙人が出てくると、精神的にも落ちついて観ていられない。もっと、静かで落ちついた映画、琴線をゆさぶるような映画を作ってほしいと思います。映画を作りたい人、若手の才能ある監督はたくさんいます。しかし、東宝、松竹でも、今やメーカーではなく、配給会社となり、お金は出さない、出来たものは上映しない、責任はとらない、というような姿勢では、日本映画界は発展しないのではないでしょうか。映画界は再考のときが来ているのではないかと思います。

どうもありがとうございました。

(2008.3.12)



        
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